(2022年6月12日 訪問記)

まず、富吉にあるぶどう畑を見せて頂きました。

この富吉は、岡山駅から北に車で30分ぐらいのところにあります。

岡山駅の方から岡山空港に行く時に通る道の沿道に畑は広がっています。

ここ富吉から空港までは車で10分ほどです。

下の写真は、富吉にある小公子のぶどう畑です。

富吉の畑(右手前に小公子の畑が広がる)
富吉の畑(小公子の畑)

2017年から栽培を始めた小公子の畑

岡山に移住されて、最初に植えたのがこの小公子の畑です。

農薬を使わずに育てますので、一般の畑とは違い、草がこのように地面いっぱいに生えてます。

この草は、時期をみて草刈りをするそうです。

まず、ぶどうの樹の列に沿って樹のそばの草を刈って、また、時期をみて真ん中の草を刈ります。

苗を植えたばかりの時期には、手入れが大変だったそうですが、今はぶどうの樹が成長して大きくなったので、

草にも負けないそうです。ただ、あまり草が育ち過ぎると栄養を草に取られるので、バランスを見ながら

草刈りをしているそうです。

農薬について

大岡さんの畑は、農薬を使用しません。

ビオの生産者に認められている、ボルドー液(硫黄と銅で作ったもの)のみ数回使います。

当日行った時に、ぶどうの葉が「黒とう病」になっているのを見せて頂きました。

ボルドー液で対処していくそうですが、このボルドー液は、表面にだけ影響し、

20ml以上の雨が降ると流されます。

一般的な農薬は、ぶどうの樹全体に行き渡り浸透して効果を発揮しますが、

ボルドー液は浸透しないので残留しないぶん、効果も薄くなります。

また、ベト病についてもお話を聞きました。

ベト病は、土の中にいて、時期になると胞子で飛んで来るそうです。

やはりボルドー液で対処するそうですが、大岡さんはそのボルドー液でさえ、

できるだけ使いたくないというスタンスでした。

労働時間について

大岡さんは、

農家の方の労働時間を時給換算して考えないといけないとおっしゃいます。

大岡さんの農作業は、一反(300坪、約10アール)当たり年間30〜40時間の労働作業で済むので、

1週間に一回の労働でよいそうです。

ただ、農薬を使わないとなると、病気等によって30%ぐらいの収量は減るそうなので、

大岡さんの考えとしては、病気等で収量が減ってもいいように、

畑をもっと広げることにより、病気のリスクを分散させて、

全ての畑でトータルに考えて、収量が安定するようにしていきたいそうです。

色付く前の小公子の実

ぶどうの品種について

小公子は、日本のヤマブドウで、日本の土地にはよく合うようですが、

小公子よりもさらに病気も少なく、安定的なぶどうの収穫が出来る様に、

ぶどうの品種改良を研究されています。

枝を接木する方法で、新しいぶどう品種を作るそうです。

ぶどうの種からぶどうの樹を育てる方法をとると、ぶどうの味が変わっていくそうで、

この接木の方法を取るのだそうです。

また、日本ではヨーロッパ系のぶどうを植えると、樹が病気になりやすいそうです。

日本で育てやすいのは、ヨーロッパ系の品種よりもアメリカ系の品種で、

アメリカ系の品種には、病気に対するの耐性があるからだそうです。

栄養について

ぶどうの畑には、肥しはまだ入れていないそうです。

しかし、このままぶどうを収穫し続けると、土地の栄養が無くなってくるので、

タイミングを見て肥しを入れたいそうですが、大岡さんは、

動物の糞を畑に撒く場合でも、動物が何を食べたかまで考えるということでした。

ぶどうの収量の調整について

以下のような質問をしました。

「ぶどうの収量を調整するのに、ぶどうの間引きをしますか?」

ぶどうの間引きをするのではなくて、

剪定をして、樹勢をコントロールすることで収量を調整されるとのことでした。

つまり、つる植物は上へ上へと伸びるので、上へ伸びすぎるところを剪定してやると、

先端の伸びが止まり、実へエネルギーがいきだすそうです。

醸造所を見せていただきました。

ヤフオクで購入したタンク等

米の倉庫をそのまま利用

セラーの中(空調を入れてさらに温度を下げてあります)

垂直式プレス機(ゆっくりとしたプレスで、良質な果汁のみを絞ることができます)

マスカット・ボブ・アレキサンドリアの微発泡

小公子

柑橘ワイン