3月16日、フランスの自然派ワインの紹介を

サンフォニーの竹下さんとプレヴナンの山本二人で動画配信しました。

前半は、スライドを使って生産者、気候、土壌等について説明をしています。

下記のURLから動画をご覧頂けます。(ナチュレルモン FBページに飛びます。)

https://fb.watch/bURPT8CT2u/

以下は、動画をテキストにしたものです。

和志:ブーデュモンドの生産者紹介を致します。

今日はもうこのブーデュモンドのことを
日本一ご存知な方をお招きしております。

エノコネクションの日本代表の竹下さんです。
竹下さんのことを私からご紹介致します。

竹下さんが代表をされてます、エノコネクションは、
350もの自然派ワインの生産者を日本に紹介してる会社です。

私たちのようなワインショップに紹介するわけではなくて、
輸入されている輸入業者の方に紹介している
言わば、自然派ワインの元締めですね。

現地の自然派ワインの生産者と輸入業者を
繋いでいるっていうことなので
かなり、重要な役割を担ってますよね。
竹下さんはもうワイン歴が30年ぐらいの
超ベテランで自然派ワインという言葉がない時から
ワインに関わっていらっしゃいます。

フランスのブルゴーニュ大学でフランス語を学ばれ、
フランスのボルドーで醸造学を学ばれました。

現地の生産者もたくさん訪問する中で
色々な出会いがあったわけですね。
自然派ワインの生産者といい出会いがあって
自然派ワインの美味しさを感じられ
今の職業に就いていらっしゃいます。

今では、エノコネクションの日本代表されていて、
自然派ワインの日本のトップにいらっしゃる方です。

恭子:今日は、東京のご自宅から参加頂いています。
オンラインで繋いで生産者のご紹介をしていきたいと思います。

竹下さんは剣道も凄いですよね。
小さい頃からされてますよね。
剣道少年。種子島のご出身?

竹下:鹿児島の種子島です。
私の家の横で焼酎作ってますからね。
芋に囲まれて育ったのが
いつの間にか、ワインの方に興味が移りました。

恭子:剣道何段ですか?
竹下:今、7段ですね
和志:7段って聞いたことがありますか?
竹下:よく僕達、ブドウと武道の繋がりていうんですけどね(笑)
恭子:剣道の武道とワインのブドウでですね
竹下:武道とブドウでぶどう繋がり(笑)
恭子:子どもさん達も
剣道バリバリにされているということで
本当にお仕事から趣味の剣道までね
素晴らしく勢力的に活動されている方です
尊敬しますね。

竹下さん、ご挨拶をお願いします。

竹下:私たちはフランスから
ワインを輸出させていただいている中で
やっぱりおいしくて、皆さんの毎日飲めるようなワインで
あまり高くなくて、日々楽しめるワインを探していく中で
行き着いたのが幸にも自然でした。

醸造も自然で、そして生産者の人がいい
こういうものが揃ったワインっていうのは
やっぱり魅力的なワインです。

その中でも今日皆さんに紹介させていただく
ブーデュモンドは栽培も自然、醸造も自然。
そしてまた人が良いというですね。

そういう、三つ揃った生産者
ぜひ、楽しみにしていただければと思います。


このドメーヌ・ブー・デュ・モンドの簡単な説明です。

地区に関してはまた後で説明させていただきますが
エドワール・ラフィットさん
この写真の右の方ですね、ちっちゃい方ですね。

この方が、2005年に独立して作った蔵元です。

独立される前は、エドワールさんは
南仏、コート・デュ・ローヌにある
エステザルクという農協で働いていました。

このエステザルクは、どのような農協かというと、
フランスで初めて農協で有機栽培を始めた農協なんです。
15、6人ぐらいの小さな農協でです。

その当時の農協は、工業的な作りで大量生産、
安定したワインを作るということで
あんまり美味しくなくて、
どんどん潰れていってた時期なんですね。

農協がもう立ち行かなくなっていた時期で、
なぜかというと、
農協というのは大体ぶどうをキロで買うんですよ。

だから、ぶどうが大きい方がいいです。
質は関係ないんですね。

そうなると、組合員もみんな質を求めずに
ぶどうを作って、売るわけなんです。

そして、その買い取ったぶどうを
すごい大きな単位で500ヘクトリットル
600ヘクトリットルというタンクで
注)1ヘクトリットルは、100リットル

ワインを作るのですが、それが売れないですね。
あんまり美味しくないんです(笑)

売れないと瓶詰めできないんで、
次の年、ぶどうが取れてもタンクに入れられない。

それで、よく暴動を起こしたり、ストライキを起こしたりとか
しました。
そういう中で、政府も色んな補助金を出してきましたが、
もう最後には「もうそんな払ってられない」ということになり、
農協がほとんど立ち行かなくなったという時期です。

そのような時期にこのエステザルクというところは
方向転換で有機栽培にしました。

そして、自然な栽培・醸造でワインが造られて
一気に日本でも
手頃で安くて、自然なワインというのが広がった。

そこの二代目の組合長なんです。

この二代目組合長を辞めて、ルーションという
スペインとの国境のところにドメーヌを立ち上げた。

実は、このエドワールさん元々
コート・デュ・ローヌ地方ニームの出身で、
全くルーションには縁もゆかりもなかったのです。

それなのになぜ、ここでドメーヌを立ち上げたのかというと、
エステザルクの第一代目組合長のジャン・フランソワ・ニックさんが
先に、このルーションで2002年から移住して、
フラール・ルージュというドメーヌ を立ち上げて、
ワインを造り始めていました。
その彼の助けもあって、この地でワイン造りをすることに
なったのです。

同じ時期に、先ほどの写真の左側の
ドメーヌ・ポッシブルのルイックさんが、
この地で醸造設備を探していて、
このスペインとの国境のランザックという小さな村に、
潰れた農協を見つけました。
彼もまた元々はフランスのリールっていう
全く北の方の出身で、ルーションには縁もゆかりもなかった。
(ルイック さんは、アルザスの自然派ワインの生産者である
ブルノ・シュレールでも経験を積んでいます。)

そして、エドワールさんルイック さん、もう一人の方で
この農協のカーヴを共同で使用することになったのです。

最初のもう一人は、今他の人に替わっています。

この頃農協がどんどん潰れてるので、
潰れた農協を安く買い取ってその農協の中を改装しています。

この農協は本当に無茶苦茶でかいんですよ。
大き過ぎるんですね。
だから、共同で使うには、ちょうどいいわけです。

この2005年にこのスペインとの国境の所に
蔵元を立ち上げました。

本日の流れ


この写真の右上に、「ジャジャキスタン」と書いてあります。
彼らはその買った農協を一つの国として
ジャジャキスタンという名前をつけたんです。
「ジャジャ」は、ワインという意味があります。
パキスタンとかアフガニスタンとか色々な言葉がありますけど
彼らは、ジャジャキスタンと言う国の名前を造語で作ったんです。

この元農協のでっかいお城には、3人の生産者がいまして、
そこで作ってるワインはジャジャキスタン産の
ワインということになります。
それだけならいいのですが、面倒なことに、
ワインのカートン(外箱)にも書いているんですよね
ジャジャキスタンと。

私のお店に配送されたワインの外箱


和志:本当に、MADE IN JAJAKISTAN(ジャジャキスタン)と書いてあるんですね。

おかげで日本についた時に、通関が通らずに
ジャジャキスタンと言う国は、どこなんですか?って
「いやあ実は、意味はないんですよ…」
これは単純にそういう名称にしてるだけ・・・。

苦労して通関通るんですね。
一回だけでしたけど、二回目からは、
無事に通関通っています。

そう言うちょっと遊び心もある人達ですね。

ルーション地方とは

このルーション地方は、凄いマイナーなところです
フランスは広いですけれども
皆さんブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュ
有名だからよくご存じだと思いますけども
ラングドック・ルーションは、地中海沿岸ですね。

フランスの南に位置します。
東に行くとイタリア、西に行くとスペインという所です
だから独自の文化、地中海文化というのが育まれたところで
フランスと言うよりも
イタリア側は、イタリアの歴史の方が長いですし
スペイン側は、どっちかって言うと
スペインの方の歴史の方が長くて
よくバルセロナで、カタルーニャ独立運動やってます。
このルーション地方も
カタルーニャ(カタラン)地方なので同じです。
俺たちはフランス人じゃない、俺達カタラン人だ、といいます。

すごい独特の気質を持った所です。

地中海性気候の特徴が一つは、
やっぱり南なんで暑い・乾燥ですね。

夏は、日陰で40度、日向の所が50度とかです。
地中海性気候で、雨が降らなくて乾燥しています。

その辺がぶどう栽培にいい時と悪い時とある訳なんですけど、
暑くて、乾燥しているので、ぶどうが病気になりにくく
有機栽培・自然栽培には恵まれた所です。

そして「タラモンターニュ」という
北から、フランスの真中ににある中央山岳地帯から吹く風、
つまり「からっ風」みたいなものです、
これは乾燥した風で、その冷たい風が
また湿気を飛ばしてくれるのです。

地中海からの湿気を含んだ海からの風、
それから北からの乾燥した風。
それがバランスよく、ぶどうの熟度が上がっていきます。

そして病気が少ない。
風も、なんと時速200キロとか
とんでもない風が吹くんですね。

その日はもう外出できないですよ。
だから結構、ルーションは、ぶどうの木が斜めに生えています。

あんまり風が強いから
真っ直ぐに生えていかない、斜めに生えてくる。

ローヌ地方では「ミストラル」と言います。
それよりも、もっと強いですね。

その辺がぶどうに与える影響というのは大きくて、
その風がまた病原菌を飛ばしてくれて
そのぶどうを健全な状態にしてくれる。


ただ、この地区は歴史的には、やはり暑すぎるので、
造られるワインは、甘口ワイン、酒精強化ワインですね。

ルーションでは、グルナッシュにアルコールを添加して
ちょっと甘口の酒精強化したアルコールの強いものとか
デザートワインのような甘口ワインの文化のある地区です。

そんなに辛口のワインを作ることがない文化です。
それは気候によるものもあるのですが、
今、自然派の生産者が新しい流れを作っている。


エドワール・ラフィットさんを始めとする
自然な栽培、自然派生産者たちが
もっと気軽にスムーズに飲めるワインを
この地区で作ろうということで
どんどん移住してきてる所です。

フランスでは、土地が高いので、
特にブルゴーニュなどは
例えば、エシェゾー(ブルゴーニュ地方の特級畑)は、
0.5ヘクタールで、256億円!
とんでもない値段になっているんです。
もう買えないです。

ボルドーやシャンパーニュも土地が高い。

その点、ルーションは、安いですね。
ラングドック・ルーションは、1ヘクタール
そんな高くなくて、40万とかです。

いっきに価格が下がります。


山で傾斜が凄くあったりとか
標高が高くて、作業が大変だったりとか
機械が入らない、大変な所ですが、
それでも安い!

いいワインをちゃんとして作ろうとした時は
ルーションの方に移住する。

そのような流れで、今、世界中で
2004年以降、毎年毎年、確実に有機栽培が増えている。

世界の有機栽培の面積が
確か6.2%ぐらいになっている。

そのうちの75%は、
フランス、スペイン、イタリアの有名産地で、
フランスがその中でもNO.1です。

世界の有機栽培の面積のうちの
25%を占める。

また、更に有機栽培が多いのがこの南。
南仏、ラングドック・ルーションです。
そういう意味では、このフランスの中でも
自然栽培が進んだのが
環境や天候も影響してますけど
やっぱり南の方ですね。

北の方は雨が多いので、
ボルドーもそうですけど天候が良くないです。

やっぱり湿気も多いですし
ベト病とか、湿気から来る色々な病気のある中で
今かなり増えてますけど
なかなか有機栽培に転換するのは難しい。

そういう中で、南の産地は、普通に作ったら自然。
普通に自然に恵まれた環境にある。

上の写真は、
これがエドワール・ラフィットさんの住んでる
ラトゥール・ド・フランスという
スペインとの国境の村。

4kmぐらい行くとスペインですね
恭子:かなりスペインに近いですね
そうなんです、ピレネー山脈の麓みたいな所で、
「ラトゥール・ド・フランス」、名前もかっこいいですね。
自転車のレースで「トゥール・ド・フランス」がありますけどね、
「トゥール」タワーと言う意味で、真ん中にタワーがあって
それがフランスのタワー。

スペインとの色んな戦争の中で、
ここは城塞都市というのか、壁に囲まれた村なんです。

この辺で標高200から250mぐらいあると思います。
畑は、まだ標高が上がったところにあって、400から450mなんです。

ルーションの自然派ワインの
聖地じゃないですけど
他の村は、ほとんどパン屋さんは無いし、
レストランもないので、みんな不便なので、
畑はこの周りに散らばっているけど
ほとんどルーションの生産者はここに住んでいる。

この地区は、そういう意味では、
みんなで情報を交換しながらやっている村なんですね。

これがエドワール・ラフィットさんです。
年は52、3才ぐらいですかね。
これがカーブの中の写真です
元々大きな農協だった所を改修して
タンクを全部切り壊して小さくして使っています。


面白いのが三人で共同でやると、
プレス機は、年に一回、使うシーズンが決まっていて
みんなで使い回すと投資が少なくて済む。

色んな器具をお互いに使い回して
みんなで助け合って、ワイン作りに参入しやすくしている。

ワインコーリングという映画でもありましたけども
生産者のライフスタイルをドキュメンタリーにした映画なんですけど
(竹下さんも出演されています。)
https://www.youtube.com/watch?v=TTGN9Mm7lKo
映画で旅する自然派ワイン『ワイン・コーリング』予告編

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08MCWTW43/ref=atv_dp_share_cu_r
ワイン・コーリング(字幕版)


助け合いながらやるっていうのは
ルーション地方というのはすごい強い。

ほとんどの自然派の生産者はみんなよそ者なんですね。
もともとルーション出身の人じゃない。

親戚も仲間もいないので
逆に、このよそから来た人たちが
強いコミュニティを作って
どんな人も受け入れていって
よそから来た人がそのルーションのワイン文化を
変えている、という面白い状況。

逆に、ずっといる人ってやっぱり、
なかなか変えられない、変わらないです。

今まで除草剤使って化学肥料を使ってやっていたところに
有機栽培でやろうかと言えば
勇気がいるわけですね。

なかなか有機へとは行かないですからね。

ゼロから最初からという、後発の人たちは
最初からもう目的が決まっているんで、
自然に作るという。

そういう意味では、
思い切って進んで、成功してる訳ですね

これが三人
最初のスタートの一人はいなくなっちゃって
これは、最近の三人なんですけど
一番左は、デビ・ディヴェルスという生産者
真中がエドワール、あとポッシプルですね

今日飲むワインのカサーニュという区画で撮った写真

ブー・デュ・モンドの畑と栽培

これはカサーニュからの写真で、左の写真を見ると
なんかこう、ずっと行くとピレネー(山脈)に続く様子が
見て取れると思います。

右側の写真も360度を山に囲まれて、

向こうにコルビエール(ラングドックの地区)、山の稜線があって
あの山を越えると
コルビエールの方に行く訳ですね。

この辺りは、スペインとコルビエールの間の区画にあります。
標高は400〜450メートルにもなる。

この辺に畑をなぜ、持っているかと言うと
さっきも言いましたが、地中海沿いは、乾燥・猛暑、暑いので
濃いワインは、簡単に出来るのですが、
飲み易いワインができない。

彼らの求めているワインは
やっぱり、気軽にスイスイ飲める果実味のあるワイン。

そういう意味では、標高が高いところに
ぶどう畑があるとその分
涼しさ清涼感があって、
ぶどうがそんな焼けた感じにならない。

ほどよい熟度のぶどうになる。

昔は、日当たりのいい南向きの斜面とか
そういうものが望まれたのですが、
今は逆ですね、標高が高くて
日当たりの悪い斜面の方が・・・

恭子:涼しさが欲しいと言うことですね。あまりにも暑過ぎて。

南の人は涼しさを求める、
北の人は今だに暑さを求めます。
無い物ねだりですかね。

ここは花崗岩の畑のところ
花崗岩が崩れて、ちょっと粘土質になって
粘土と言うより、砂質になっている。

写真は、この辺の地区のぶどう樹の仕立て方です。

ブルゴーニュとかボルドーに行くと
整列してぶどうが、並んでますけど
これは、ゴブレット、コップのゴブレットの格好ですね。

ぶどうの枝が360度ばっと、伸びてる。
この一番左の方を見て分かるように
この葉っぱは、普通ボルドーとかブルゴーニュですと、
葉っぱを切っちゃうんです。

これだけ伸びてくるとぶどうに(葉っぱが)かかっちゃいますし、
光をもっと当てたいので切るわけです。
逆に、この辺りではパラソルと言って、
ぶどうにあんまり日が当たらないようにするんですよね。

あんまりにも暑すぎるので
このパラソル、ぶどうの葉っぱをぶどうに掛けることによって
暑い猛暑からぶどうを守ってくれる。

恭子:少し日陰にしてやるということですね。

ゴブレの良さは、真中に空洞(枝と枝との空間)があることで、
風通しもいいですね。

色々な仕立て方の中でも、全部密集した仕立て方をすると
空気の循環が悪くなって病気になりやすい。
ここはこういう風にゴブレでします。

そして、これは昔からのやり方で、樹齢もここのぶどうは、
90年もあればもうかなり古い、百年の樹齢もありますので
ゴブレで植えていて、もう機械化できないですね。

(ぶどう樹が)真っ直ぐ並んでないんで、機械収穫出来ません。

そしてまたゴブレというのは、ぶどうが色々なところに生えているので
手づみでしか収穫ができない。
恭子:大変ですね。
だから、手作業が前提のぶどうであり、やり方なんですね。

今、映っている物はカリニャンですね。

恭子:樹齢の高い90年とか100年の木々は
彼がここに元々植っていたぶどうの樹を
また手入れし直しているんですね。

元々の樹齢の古いカリニャンとか
このルーション・ラングドックの
代表的な品種は、カリニャンというぶどう品種があって
結構、ぶどうの実が大きくて、すごいジューシーなんですよ。

あんまり良いぶどうが出来ないと思って、どんどん抜かれていっちゃって
グルナッシュやシラーに植え替えられたんです。

そういう中でも昔から植えられた樹齢の古い50年とか
90年、100年のカリニャンが一部残っています。

そういうものは、若い時にはぶどうの実がでっかくて
あまりワインらしくない、ジューシーすぎるワインができたんですけど
樹齢が古いんで実も少ないので、
凄いバランスの良いワインを(作れるような)
ぶどうができるようになっています。

根っこも深く入ってるので、すごい貴重で、価値がありますね。

そういうものを彼らは運良く手に入れられたわけです。

また、その地球の温暖化もあって、今では、
途中でグルナッシュ、シラーとかがブームだったんですけども
カリニャンは酸が強い品種なんで、また見直されてきたですよね。

時代にあった、伝統的なぶどう品種がその地区に合うという
また原点に戻ってきている訳ですね。

そして、このカサーニュの畑で
このルーション地方の、岩盤というかこの土壌というのは火山岩が多くて
ピレネーが隆起する時の火山岩が多くて
これは片麻岩で、ギネスと言うんです。
火山、マグマが固まって、圧力で固まった土壌なんですね。

こういう土壌が凄いミネラル感を、ワインにちょっと薫製感とかですね
燻した感じとかを表現します。

例えば、他の地方ですが、ブルゴーニュだと粘土石灰質ですね。

石灰岩はもともと海だった頃に魚とか貝とか、そういうものが
堆積して、カルシウムが堆積してできた土壌です。

この辺は火山岩ですね。

海の下にあったことも勿論あるんですけれども
火山岩がこの土壌の方に出てくるところです。

エドワール・ラフィットさんが持っている畑は
一ヶ所に畑が無いので、全部散らばってるんですけど
合わせて、7ヘクタールぐらい今持ってて、
その3ヶ所ぐらいに主な畑があります。

これはラシゲールという畑のシスト土壌、
これもルーションの代表的な土壌で、火山岩ですけど
スレート状の岩盤なんですね、石がポロポロ崩れる、
ミルフィーユみたいな

隆起したり、沈下したりするので
真横に水平に走ってる訳じゃないですけど、縦になったりとかね、厚さも違う。

このシスト土壌は、凄いぶどう栽培には適してまして
というのもぶどうの根が水分を求めて、どんどん土に入って行く時に
スレート状で割れているので、根が入りやすいですよね。

ぶどうの樹というのも根っこが、
1立方センチメートル、1キロぐらい下に行く力があるんですけど
あんまり硬すぎると、さすがに下に入って行かないです。

柔らか過ぎるっていうのも、粘土質になっちゃうんで
今度は肥沃過ぎます。

シスト土壌というのは、ちょうどそのぽろぽろぽろぽろ崩れるんで
根っこが入りやすいということで、ぶどう栽培には適している。

その代わり他の農業は何もできないですよね。
このシスト土壌というのは、肥沃の反対ですからね。

この土壌でできるのは、ぶどうぐらいですね。

恭子:たくましいもんですね、ぶどうは。

そういう意味でこのラングドック地方、ラングドック・ルーション地方は
ぶどう栽培、オリーブ栽培、
他になかなか出来る農業がないという所なんですね。

標高、自然、周りが森に囲まれた自然
そして、今見ていただいた片麻岩であったり、シスト土壌、そういうので
ワインのイメージを知って頂けたと思います

生産者のドメーヌの名前が「ブー・デュ・モンド」
「地の果て」という意味。地の果てへの小旅行を感じられたと思います。

先ほど見た畑の景色を、ほぼ毎日見ながら畑で選定したりとか
耕したりとか、すごい仕事ですよね。
仙人みたいな仕事ですよね。