1日目

8月24日〜26日に、長野・山梨ワイナリーツアーを開催しました。

今回は、そのツアーのことを書きたいと思います。

今回のツアーは、8月開催を要望されているお客様からのリクエストにお応えして、初めてこの時期に実施する国内ツアーになりました。

生産者が収穫期で忙しい時期なので、なるべくご迷惑にならないように配慮しながら訪問しました。

この時期の訪問は初めてだったのですが、そのおかげで、収穫前の熟したブドウを見ることができ、訪問先によっては、ブドウを食べさせてもいただきました。

これまでに国内の産地は、山梨、長野、北海道、山形と主要なワイン産地に行きました。次の訪問先として、新潟なども候補にあがりましたが、その地に知り合いもいないことと、もう一度長野に行きたいという要望もあり、「長野・山梨」に決めました。

前回のツアー参加者からのお声から、「美味しい食事を楽しめる場所に行きたい」というお声を多くいただいていたので、何よりも優先して以前行って美味しかったお店のディナーを予約しました。そこを中心にプランを考えていきました。

今回はランチについても美味しいお店情報を得ることができました。1つは、長野の中川村のお店。もう一つは、ワイン生産者が経営している飲食店です。

参加者はスタッフも含めて22名になりました。

この人数になると、受け入れてくださる飲食店やワイナリーが限られてきます。

バスでの移動は時間が読めないので、必要な場所だけバスをチャーターします。今回は、岡山駅から名古屋まで新幹線で移動し、そこから長野の木曽福島駅までは、特急を利用しました。


そこからは、チャーターしたマイクロバスでの移動です。

駅から中川村の訪問先ラポムレさんまでは、約1時間30分かかるので、ちょっと寄り道をしながら向かいました。途中にある、養命酒の施設「くらすわの森」で休憩後、長野県中川村へ。

今回の大きな目的は長野のラポムレの石川さんのところを訪問することでした。石川さんは、前回の長野訪問時にもお世話になった方です。

訪問の前に、中川村にある沖縄茶屋「仲谷」さんで、沖縄そばをいただきました。古民家を再生されていて、ゆったりできます。


沖縄そばは、とても美味しい出汁も効いていて、豚肉もとろっと煮込まれている丁寧に作られたもので、とっても満足しました。

ランチも終わり、ラポムレさんへ。石川さんと再会し、まずはりんご畑を見せていただきました。

このりんご畑は、前の生産者から譲り受けたものです。りんごが緑から赤に熟しかけていると思いきや、赤くなっているのではなくよく見ると茶色になっていました。なんでも暑すぎて焦げてしまったようです。

長野は標高も高いので涼しいと思っていましたが、全然涼しくなく、畑はとても暑くて長時間の滞在は危険な状態でした。

今回は、数年前に苗木を植えた、ぶどう畑も見せていただきました。

ぶどうは立派に育っていました。ぶどうの畑に生えている雑草も自然な感じです。

移住してきた当初は、周りの方から雑草が生えっぱなしだと注意されたとか。

有機栽培や自然農でするのは、周りの方からもなかなか理解されないようで、今のところ完全な有機栽培を目指すのではなく、最小限の農薬は必要に応じて使用されています。

ワインになるのが楽しみです。

夜はリクエストの一番多かった「vita」さんへ。前回行った時はランチでしたが、今回はディナーです。

ワインは、持ち込みさせていただきました。お料理はどれも美味しく、店名の「ナチュラルワインとJIMIな料理 vita」の通り地味な味ですが、ナチュラルワインとはピッタリなのです。パンもすごく美味しくて、どこのパンか聞いたところ自家製のものでした。本当にこのパンすごいです!!!

お料理は、大人数のためテーブルごとで取り分けて食べます。メニューは、 ビーツのポテトサラダ、豚の角煮とラポムレの洋梨と焼き飯を添えたもの、ピーマンの肉詰め(鹿肉)、煮浸しの茄子とそうめん、バジルとトマトのピザ、など美味しい料理ばかりです。

持ち込んだワインもとてもナチュラルな生産者のものばかりだったので、お食事ととても合いました。 もちろん、ラポムレの赤ワイン「ハルジオン」も飲みました。

途中から石川さんご夫妻もご参加いただきました。ボジョレーのマグナムを差し入れしてくれたのと、ラポムレのこれから発売予定のワインも試飲させていただきました。ゆっくりできて楽しく、とても美味しいひとときでした。

2日目

朝ホテルを出発して、長野県の塩尻に向かいました。
「レ・ヴァン・デュブルィヤール」という生産者に朝9時の訪問です。

実は、この生産者とは、今年の5月に開催されたナチュラルワインのイベント「ローワイン東京」で初めて出会いました。
そのイベントでお会いしたときに、「今度行きますね〜」とお話ししていたのですが、それが実現したのです。

新しい生産者なのでネット等にも情報があまりなく、どんな感じで栽培されているのかも知りませんでした。
ちょうどラポムレの石川さんと同じ時期に栽培を始められたようで、石川さんとも知り合いでした。

到着して、生産者にお会いしました。ご主人様がアメリカの方で、奥様は長野出身の方です。
現在は、りんご畑とブドウ畑を自然栽培されていて、醸造は委託でされています。
ブドウはヨーロッパ系の品種を植えていました。

ラポムレの石川さんのいる中川村よりも標高が高いためやや涼しく、石川さんのところで見たような、一部のりんごが太陽の熱で茶色に焦げたようになっていることはありませんでした。

自然栽培では、さまざまな病気や昆虫の被害もあるようです。
奥様が「農薬をまけば簡単なことなんだけど、今まで頑張ってきたのに、農薬をちょっとでもまくと今までの苦労が水の泡なので…」とおっしゃっていました。
自然栽培に取り組む農家さんのご苦労が本当に伝わってきます。

来年には醸造所ができ、見晴らしの良い場所にテイスティングルームも完成するそうです。次回の訪問が楽しみです。


バスで移動して、次の生産者のところに向かいます。今度は山梨の生産者です。
今回、訪問するにあたって長野・山梨でナチュラルワインの生産者を探したところ、「ドメーヌ・ヒデ」を見つけました。

小さな生産者を訪問する際、人数が多いと受け入れていただけないことが多いのですが、こちらでは快く受け入れてくださいました。

ドメーヌ・ヒデは「月晴れる」という古民家カフェも経営されています。
今回は「月晴れる」でランチをいただき、ワインの説明を聞きながら試飲。その後、畑見学や醸造所の見学まで組み込んでいただいた3時間30分のコースをご提案いただいていました。


実は、訪問の前にバスのトラブルがあり、高速道路上でバスが停車してしまいました。
停車したバスに後ろから衝突される可能性もあったため、全員バスから降りてガードレールの外に避難。
そこは草が茂って坂になっており、さらに外から人が入れないように柵があったため、柵の外に出ることが難しく、夏の暑い中、ガードレールのすぐ外で待つしかありませんでした。

バス会社で近くの代替バスを手配してくださいましたが、バスの空きがあった会社は、すぐ近くではないため、到着までしばらく待つことに。
30分ほどして高速道路の交通管理隊の方が到着し、黄色い車をバスの後方に停め、矢印板を設置して交通を誘導してくださいました。これで追突事故の心配がほぼなくなり、少しホッとしました。
さらに水や保冷剤までいただき、手配されたバスを待ちました。

トラブルから約1時間後、代替バスが到着。
22名全員が協力し合って、無事にその場から移動できました。

サービスエリアに寄って少し休憩を取り、「月晴れる」へ向かいました。
予定時刻から1時間半遅れての到着でしたが、スタッフの皆さまが温かく迎えてくださり、全ての内容をご対応いただきました。本当に感謝です。

ランチもワインも優しい味わいでとても美味しく、古民家にはクラシック音楽が流れ、皆さんゆったりと過ごすことができました。


その後はブドウ畑でマスカットベリーAを食べさせていただいたり、醸造所を見学したりしました

ドメーヌ・ヒデの渋谷さんの温かい人柄が感じられるワイナリーで、参加者全員にとって良い経験になったと思います。


この後の見学は1件キャンセルし、ディナーのレストランへ。
以前のワイナリーツアーでも訪れたことがあり、参加者からのご要望もあった「エリソン・ダンジュール」というフレンチレストランです。
ひっそりした山のふもとにあり、山梨のナチュラルワインを多く取り揃えていらっしゃいます。山梨のワインと上品なお料理をゆっくり楽しみました。

今回の訪問の様子は、YouTubeで配信しています。
ぜひご覧くださいね。