オーストリア・ドイツワイナリーツアー

生産者と。

9月20日〜27日の間で訪問してきました!

久々の海外ツアーです。

以前は2年に1度程度海外ツアーを開催していたのですが、

新型コロナの影響で、中止していました。

今回は、お客様のリクエストを受けて、

すでに何度か訪問したことのあるフランス以外の訪問国を検討しました。

イタリア、チェコ、スロバキア、ドイツ、オーストリアが候補に。

まず、訪問するには、ワイナリーをアテンドしてくださる方が必要です。

この5カ国のワインを輸入業者されている何社かに打診したのですが、みなさん、都合が合わずお断りされました。

それでも諦めず、今年、来日された生産者で、私が大阪や京都でお会いした方の中から訪問したいところを選定。

訪問先は、ドイツ、オーストリアの5軒の生産者に決定。

このうち、2軒は、輸入業社を通してアポを取ってもらい、あと3軒は、直接連絡を取りました。

ただ、私がドイツ語が出来ないため、通訳の手配も必要です。

また、いつもでしたら、貸切バスで全ての生産者を訪問するのですが、ユーロ高や現地の人件費の高騰で、予算が膨らんでしまったため、オーストリアでは、ウィーンを拠点に電車での移動にしました。

ツアーの段取りも結構大変です。

そして、訪問先も決まり、旅行会社に、飛行機、ホテル、貸切バスのチャーターを依頼。

なんとかオリジナルのツアーのプランが出来ました。

レストランも事前に選んで予約を入れます。

通訳は、大使館などいろいろなところに当たって探しました。

ただ、ドイツで、ナチュラルワインに詳しい方2名見つかったのですが、どちらの方も通訳が1時間で、約100ユーロほど(16500円)します!

9時間の見積もりを取ったので、900ユーロ!!!

結局、その方達にはお願いせず、いい方に巡り会えて、それぞれの場所で通訳をお願いしました。

ドイツの生産者訪問時に1名

オクトーバーフェストで2名

オーストリアの生産者訪問時に1名

出発の日。

岡山から羽田空港経由でドイツのフランクフルト空港に到着。

富山から参加の方もここで合流。

夕方の到着だったので、タクシーで移動後空港の近くのホテルに宿泊。

翌日は、早朝よりチャーターしたバスに乗って生産者のところへ。

朝、日本人の通訳さんと合流。しかし、時間になってもバスが来ない。

通訳さんが近くの駐車場まで探しに行ってくれて、一緒に来たバスが…。

「え!大きい。」8名乗車のために

用意されたのは、50名ぐらい乗れるメルセデス・ベンツ製の大型バスだったのです。

オーストリア・ドイツワイナリーツアー 2

「ヴァイングート・マン」入口

家の中のスペース

地下セラーの入口

楕円形の樽

生産者

発酵して、4日目のワイン!

石切場

最初の訪問先は、「ヴァイングート・マン」です。
ドイツのライヘッセン地方の生産者です。
フランクフルトからバスで1時間弱のところにあります。

ライヘッセンは、高級なワイン産地というイメージではなく、
平地で大量にぶどうを育てている地域です。

しかし、この生産者はこの地域でもナチュラルで美味しいワインを作っているのです。

今年の5月に生産者が来日された際に京都でお会いしたご縁があり、今回訪問をお願いしました。

まず、セラーを案内して頂きました。

このワイナリーの歴史は古く、1200年からワイン用のぶどうや
他の作物も作っている農家です。

そして、2000年からはワインだけを専門で作るようになりました。

ただ、ナチュラルワインの生産者は、
ぶどう栽培が天候によって左右されやすく収入が不安定です。
そのため、この農場では他の作物を作って収入を安定させ、
さらに、動物を飼って自然なサイクルを作るようにしているそうです。

今年は、残念ながら不作だったようです。

醸造所の建物は、古い時代の部分に新しい部分を継ぎ足して
広げていったようで、建築の様式の違うものが一緒になっています。

セラーの中に入りました。

醸造するためのステンレスタンクや木の樽があります。
ドイツでは伝統的に、楕円形の大きな樽が使われます。

ドイツのワイナリーはスペースがなかったので、樽を縦長にしたのです。

訪問した時、ワインがちょうど発酵途中で、その発酵途中のワインをテイスティングさせて頂きました。
現地でないと飲めないワインなので、とてもラッキーです。
発酵を始めて4日目のものもあり、飲むとまだ甘いジュース感がありました。

そのあと、ワイン用のブドウ畑を見せてもらいました、なんとこの土地の地層を見せるために、石切場を上から見下ろせる場所に連れていってもらいました。

オーストリア・ドイツワイナリーツアー 3

斜面の畑(シャルドネ)

実験的に植えているぶどうの樹

ピノ・ノワールの畑

ビュッフェ式のランチ

美味しいランチでした♪

その石切場を見下ろせる場所から、

すぐ近くのぶどう畑を見せていただきました。

このエリアの斜面の畑には、放棄されたぶどう畑も多く、今ではぶどう畑でなくなった場所も多いそうです。より良いぶどうを作るには斜面の方が適していますが、作業が大変なため、斜面の畑を手放して平地で栽培する人が増えているそうです。

そのため、良いぶどうを作りたいと考える人にとっては、斜面の良い畑が手に入りやすい状況だと聞きました。

「農業は、自然に手を入れることで自然を破壊しているという一面がある。手を加えるのであれば、人々のために最大限良いぶどうを作りたいと考えている。」
そのような哲学のもと、細かな手作業が行われているようでした。例えば、ぶどうの房の風通しを良くするために、ぶどうの樹の下の方の葉っぱを1枚1枚取り除いたり、ぶどうの実が太陽に当たりすぎないように、東側の葉っぱで直射日光を遮る工夫をされたりしているそうです。

次に、お昼ご飯のために移動しました。

実は、訪問の相談の際にランチができる場所を尋ねました。すると、
「近くにはレストランがないので、私たちが用意する簡単な軽食でいかがですか?」
と提案していただいていました。

そして、到着したのはピノ・ノワールの畑でした。

この日は6〜7名の方が収穫作業をされていて、その作業が終わったちょうどランチタイムに合流しました。木陰には、ハムやチーズ、パンなどが並べられ、ビュッフェ形式で好きなものを取れるようになっていました。デザートまで用意されていました。参加者のみなさんも木陰でゆっくり過ごされていて、とても満足されている様子でした。

ドリンクもすべて有機のもで、食材もすべてナチュラルなものだったと思います。とっても美味しいランチでした。

ただ、残念ながらランチにはワインが提供されなかったため、みなさん少し物足りなさそうでした(笑)

オーストリア・ドイツワイナリーツアー 4

醸造所の中

地元の木を使って、近所の樽の生産者が作った木樽

イタリアの陶器

地中の中に、ジョージア産のクヴェブリ(素焼きの甕)が埋まっています。表面に見えるのは、ぶどうの皮です。表面は参加して茶色くなていますが、中は緑色でした。

生産者ヴァイガントとのアンディさんと山本和志

次の訪問先は、フランケンの生産者ヴァイガントです。
「ヴァイングート・マン」からの
移動時間は、バスで3時間ほど。

ちょっと移動距離はあるのですが、
昨年京都でお会いしたご縁で訪問を決めました。

ツアーでは時々あるのですが、この日バスで移動していると
渋滞にあってしまい到着が大幅に遅れてしまいました。

その日は、夕方から生産者のアンディさんも予定が入っていたため、
時間の調整が効かず、到着してから短時間での見学となってしまいました。

畑の見学は時間の都合でやめて、すぐに醸造所を案内していただきました。
そこには、大きな縦長の樽が並んでいました。
その中には、今年収穫されたばかりの葡萄が入っているそうで、
まさに今発酵している最中です。

発酵すると二酸化炭素が発生するのですが、樽の上の管からは
「ボコボコ」と音を立てて二酸化炭素が発生していて、
発酵の熱で樽の周りは熱くなっていました。

ワインの発酵によって、醸造所の中に二酸化炭素が充満して、
酸欠になって危険だそうです。
それを防ぐために、空気の入れ替えが必要だそうです。

「今年は、良い収穫が出来た。霜が降ったので、心配していたが、
結果的には、醸造所のタンクがいっぱいになる程の収穫ができた」

ととても満足そうにアンディは話してくれました。
フランケン地方は、この年のぶどうは良かったようです。

「ぶどうや醸造所に付いている自然な酵母で発酵させて、樽で9ヶ月熟成した後に、濾過もせず、酸化防止剤も使用しないで瓶詰めします。だから、衛生面はとても気をつけている。

衛生管理が出来ているので、ナチュラルなワインを作っても問題は起きない。」

「私たちのつくるワインは何にも手を加えない、ナチュラルなワインだ」とアンディは言っていました。まさに、本物のナチュラルワインです。

醸造所の外の敷地内の地中にはジョージア産のクヴェブリ(素焼きの甕)が2個埋まっていて、ぶどうの皮ごと入れてここで9ヶ月熟成させるそうです。

9ヶ月間してたら、甕から汲み出すそうなのですが、ポンプで吸い取るとぶどうの皮が傷つくので、バケツを使って手で丁寧に汲み出すそうです。短時間でしたが、生産者のナチュラルワインに対する愛情をしっかり感じました。

ここでもまた、時間の関係で試飲ができず、ちょっと残念でした。

オーストリア・ドイツワイナリーツアー 5

オクトーバーフェストの会場の入り口付近

オクトーバーフェストのゲート前

会場内

ビール樽を運ぶ車。昔はこんな感じで運んでたのでしょうか?
皮製の半ズボンを履いていますね。

ビールのブース

ビールのブース

遊園地

私たちが利用した、ビールブースのテント内

前菜の盛り合わせやチキンを注文。陶器に入ったビールは1Lの量

オクトーバーフェストへ

ドイツで通訳して頂いた方とお別れして(今回のツアーでは、通訳の方をそれぞれの場所で手配しました。)、私たちは宿泊先へバスで移動。

21日の宿泊先は、ニュルンベルク。生産者ヴァイガントの所からミュンヘンに行く途中にある街です。昼間の渋滞の影響でホテルへの到着も予定より遅くなってしまいました。

この日は、近所のスーパーで買い物をと思っていたのですが、着いた頃にはスーパーも閉店の時間になっていました。

結局、近くのガソリンスタンドの中にある24時間営業のコンビニで買い物をすることに。

ビールも買ったのですが、ビールの標準サイズは350mlではなくて500ml。

瓶ビールもたくさんの種類が並んでいて、びっくりしました。さすが、環境先進国です。

翌朝、1時間30分ほど移動して、ミュンヘンのオクトーバーフェストに行きました。

世界最大規模のお祭りです。

とにかく規模の大きいイベントで、広さは東京ドーム約9個分だそうです。

会場の近くには、バスを駐車することができないので、少し離れたバス乗降所で降りて会場に歩いて移動です。

ここで、現地にお住まいの日本人ガイドの方と合流しました。

実は私たちが、今回のツアーの日程を決めてオクトーバーフェストの席を予約しようと思った時には満席で、日本では予約ができませんでした。しかし、このガイドさんが空きを探してくださり、奇跡的にも席を確保できたのです。(席が確保出来ないと、テント内でビールの注文は出来ません)

周辺から会場に行く参加者の多くは、民族衣装を着ていました。

男性は、皮製の半ズボンを履くのですが、それは古いほどいいということでした。

祖父や父から代々受け継がれているそうです。

入場のゲートをくぐり、会場内に入りました。入場は無料です。

オクトーバーフェスト内は広いので移動するだけでも大変です。

敷地内には、遊園地や屋台もあります。

ガイドさんに案内していただきながらゆっくり歩いて行きました。

驚いたのは、このビールテントの建物や遊園地が、イベントのためだけに設置され、

普段は何もない公園になるということでした。

ビール会社ごとに大きなテントに分かれていて、

それぞれのテントで音楽や雰囲気も違います。私たちが行ったのは、クラシックな所で、雰囲気も音楽もとても良かったです。

ガイドさんのお嬢さんと彼氏も一緒にガイドのお手伝いをしてくださって、

案内や注文を手伝っていただきました。

ビールは、1リットルのジョッキです。たっぷり飲めます!

ゆっくり楽しんだ私たちは、今度はザルツブルグに移動です。


オーストリア・ドイツワイナリーツアー 6

ミラベル宮殿

ザルツァハ川

ホイリゲ Mayer am Pfarrplatz

前菜盛り合わせ ボリュームがすごい!!

ホイリゲの近くにある、ベートーヴェンの散歩道のベートーヴェン像

ベートーヴェンの散歩道にある樹。

ハレタの醸造設備

ハレタの大樽

ハレタのテイスティングルーム

生産者「ハレタ」訪問

ザルツブルクでは一泊して少し観光をしました。とても綺麗な街並みでした。

ここからウィーンにバスで移動です。バスの移動はウィーンまでで、今回はウィーンを拠点に、電車やタクシーで生産者を訪問する計画にしました。というのも、人件費の高騰や円安の影響でバスのチャーター料金が非常に高額になっており、ツアーを通してチャーターすると予算を大幅にオーバーするため、今回はこの方法を選びました。

ウィーンではワイナリーの訪問のほか、グループに分かれて自由観光やオペラ鑑賞をしました♪
私は、ホイリゲ(ワイン生産者が経営する居酒屋)とその近くのベートーベンゆかりの場所にも行ってきました。

オーストリアでの通訳は、輸入業者を通じて紹介していただいた方にお願いしました。その方は通訳が本業ではないものの、ワインにとても詳しく、高いレベルの通訳をしてくださいました。通訳の方とは駅で合流し、一緒に電車で移動しました。

最初の生産者訪問は、ウィーンから電車で1時間ほど移動したブルゲンランドです。ノイジードラーゼという大きな湖の周りにワインの産地があります。

まず訪れたのは、生産者ハレタ。オーナーが、あごの髭をバンドでくくっているのが印象的でした。クリーンな醸造所で、テイスティングルームもとても綺麗な場所でした。さまざまなワインをテイスティングさせていただいた中に、輸入業者と共同で開発した日本限定のワインもありました。ユーロ高の中で、日本で手頃な価格で購入できるよう、瓶を安価な透明瓶にし、スクリューキャップも安価な白色にするなど、品質に影響のない部分でコストカットを行ったそうです。

赤・白・ロゼの3種類があり、まさにこのワインが日本に到着したばかりの頃でした。東京でのそのワインの初お披露目の試飲会と、現地で私たちがテイスティングしたタイミングがほぼ同時だったのです。

すぐに在庫が少なくなりそうだったので、急遽、現地オーストリアからLINEのチャットで恭子さんに連絡しました。
和志「ハレタの新シリーズのワイン、在庫確認して…」
恭子「昨日東京で試飲会だったようで、もう残りが少なくなっていて…」

なんとか間に合って発注できました。バランスが良く、価格も魅力的なワインなので、ぜひ皆様にも飲んでいただきたいと思います。2025年3月に2回目の輸入分が入荷し、プレヴナンでも販売します。